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NO.118

決断の難しさ

2019年09月
代表取締役社長 大野木 昭夫

9月8日に関東地方を襲った台風15号は、房総半島に空前の大規模停電を発生させ、この頃にやっと回復の兆しを見せています。またこの台風は、通過直後の関東地方の交通機能を大きく麻痺させました。

私は台風の翌日、会議で上京しましたが、1時間遅れて飛び立った飛行機は、発着場の段取り替えで、更に1時間ほど機内待機を命じられ、地上に降りて乗ったモノレールのノロノロ運行で、都内に入るのに1時間半もかかるといった有様でした。
また千葉へ入ると、台風が通過した街では、電柱は根元からなぎ倒され、町々の荒れた様子に唖然とし、そして長期の停電が房総半島に生じるという事態になりました。
東電の復旧に関わる見通しと対応力の甘さを皆さんも感じられたと思います。察するに、東電は過去の災害を参考にして、電柱等の設備復旧の見通しを立てたのでしょうが、その計画は現実の状況と見合ったものだったのでしょうか。机上の論理だけで進められたものではなかったのでしょうか。現場を見れば、誰の目でも2~3日で復旧できる被害ではないと判断できましたし、その後の復旧作業は日に日に遅れて、東電社内からも見通しの甘さを指摘されていました。
私たちも災害復旧に従事することがありますが、日々刻々と変化していく災害現場の復旧は、現地を見なければ判断できないことが多くあります。「現場からの判断」そんな仕事の基本を改めて痛感しました。

以前在職していたゼネコンで高速道路の盛土工事を任されていた時は、雨が一番の難敵であり、ダンプカーを日々15台以上稼働させていた現場で、降雨による施工可否の判断に苦労しました。
土工事では、大雨の時は当然に朝から休工です。しかし途中から降ってきた雨では、休止判断が難しいのです。施工業者は、一度動き始めると多少の降雨では重機械とダンプカーを止めようとしません。止めたら大きな損失を被るからです。このような時は盛土の品質確保をするに、どこかで見極めなければなりません。
私は雨の降り方と、工事用道路の上り勾配に着目しました。幾度となく工事用道路を改修しながら、施工中にある量の雨が降り続くと、土を積んだダンプカーのタイヤが滑って上がれない勾配を見つけました。更に含水率と締固め密度を検証して、工事用道路の上り勾配を設定しました。そのような現場の実情に合った現象で対処をすることで、ダンプカーのスリップが目で見る施工可否の基準になり、皆さんが納得して休止に応じてくれるようになりました。

誰でも決断する時は悩むものです。できる限り状況を把握し、明確な判断基準を示すことで、皆さんの納得を引き出し、良い仕事につなげられるのです。

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