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社長のちょっと聞いてごしない!
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NO.72
我慢すること
2015年11月
代表取締役社長 大野木 昭夫


 今年の秋、休日を利用して福井県の曹洞宗永平寺に行ってきました。訪問は3回目になりますが、今回は一泊二日の参禅(坐禅の体験)に参加しました。
 曹洞宗の坐禅は「只管打坐(しかんたざ)」、何か目的を持って坐るのではなくただひたすらに坐ることによって、様々な思惑や欲にとらわれない修業です。
 今回はその一端だけ体験をしたわけですが、寺の生活では様々な戒律にひたすら耐えて我慢することで時間を過ごしたように思います。


 永平寺は曹洞宗の総本山として道元禅師が1244年に開山されて、今も修業の地として約150名の修行僧と30名の僧侶が生活しています。日課である掃除、食事、坐禅は厳しい戒律によって作法が決まっており、朝3時から夜9時まですべて修業の時間として生活をされています。
 到着した日は、午後4時から坐禅のやり方、ご飯の食べ方、廊下の歩き方、部屋の片づけ方等々の作法を学び、9時には消灯でした。翌朝は、なんと3時に当番のお坊さんが各部屋を回り起こしていきます。その後身づくろいをすると4時から40分の座禅です。きちんと坐禅を組み、目線は前方ちょっと下を見据えて、ゆっくりと呼吸をすることから始まりますが、時間の経過とともに、まず足がしびれて、次に腰が痛くなり、肩こりがひどくなって全身が痛みだしました。全身に力が入ってカチコチだったのです。


 私の旧知A氏は、公務員退職後に民間企業に再就職して総務担当の役員に就任されました。そして最初に体験したことが、部下から「やめたい」の一言だったそうです。以前の職場で部下が退職希望の話を持ってきたとき、「2~3年で異動があるので今を我慢していたら新しい環境・人間関係になるから云々・・・」と諭せばかなりの確率で思い留まったそうですが、定年退職前は嫌と思ったら即退職するこの頃気質に戸惑ったそうです。そして新しい職場でも「自分の嫌なことがあると、辛抱することをしない気質は変わらない」と語られていました。


 修業の第一歩は、坐禅のとき足から腰と肩に痛みが広がり全身創痍になってもじっと耐えること(修業を積めば自然体でできるようになるらしい)、厳しい戒律の生活で自我を制して我慢することでした。
 誰しも、苦しいことに直面するとその場から一刻も早く逃れたいと思いますが、そこで我慢して踏み止まることから先の展望が開けていきます。


次は、三泊四日の坐禅に挑戦しようと思いつつ帰路につきました。
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