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社長のちょっと聞いてごしない!
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NO.47
人のふり見て我がふり直せ
2013年10月
代表取締役社長 大野木 昭夫
 JR北海道が二度にわたり国交省の特別保守監査を受けたことは皆さんご存知の事でしょう。一度目は、貨物列車の脱線事故の原因になったレール幅の保守点検の手抜き作業と本社部門の管理不足、二度目は特急列車のオーバーランの原因になった緊急停止ブレーキの点検不足を指摘されています。国交省は今回の監査結果を受けて改善命令を出すようですが、今回のような状況になった真因を突き詰めなければいくら改善命令を出しても次の事故は起こるでしょう。

 そもそも親方国鉄から分社民営化されたJR各社の中ではもっとも赤字ローカル線を維持しなければならなかったのがJR北海道です。企業として住民の足を確保するという社会的使命と民間会社として利益を出し維持していかなければならない狭間で何が起こっていたのでしょう。職場では4つの組合が存在して各組合同士がけん制し合い、監査後のレール保守の緊急対応についても各組合が「もっとも論」に終始してすぐに実施できない体質は組合員からも非難の声が挙がっていました。まさしく組織エゴから脱却できないのです。
 また効率化のために保守作業員が削減され続けた現場は、職員の疲弊感を増幅させています。その実態に目を向けていないのか向けようとしない管理職はまさしく自利の企業風土です。再度原点に立ち戻り赤字ローカル線をどうするのか、企業風土の思考改革をどうするのかを明確に打ち出すことが必要です。

 このような企業の危機は、最近の事例としてJALと東京電力があります。民事再生という事実上の倒産を見事に立ち直ったのはJALであり、福島原発事故の対応で旧泰然のまま混迷をしているのが東京電力です。この両社は、民間企業と言っても官営的な要素が強い企業であり、これら企業に共通する社風はまさしく「自分たちの都合で会社がある」ということです。そしてJALが立ち直った真因は、企業風土の大転換です。親方日の丸からお客様満足を求める企業へと大変革を遂げたのです。大胆な人員削減の断行(ここはJR北海道も同じ)と徹底した生産性の向上と自己改革(ここが違う)によって、「自利」を脱却して「利他(思いやりの心)」の社風を育むことによって蘇ったJALのプロセスをJR北海道は学ぶべきでしょう。

 今年5月から実施している人事制度研修の一環で実施した従業員満足アンケート結果では、不満足の項目が非常に高い部門がありました。多いに考えさせられる結果であり、念仏のように「思いやり」と唱えていても風土にならないことは承知して早急に手立てを考えています。この社員の声は現状をジャンプするための大きな糧になるものですので、この声を真摯に受け止め「JR北海道のふり見て我がふり直せ」と、心しています。
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